食糧危機に拍車をかける”バイオ燃料”を考える

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小麦やトウモロコシの価格高騰が話題になって久しい。
グリコのプリッツが100円 → 120円と20円アップ(ガソリン並み)。また、価格を維持している商品でも分量を減らしての出荷など軒並み苦しい展開だ。
昨今の異常気象に加えて、こうした穀物を人々の口から遠ざける動きが”バイオマス燃料”である。
エネルギーのあるところ、必ず政治あり。ということで、こちらも米国を核とする先進国らの思惑あってのこと。

 石油は膨大な資源を有しているが、肝心な採掘地がアラブ諸国に集中し政治的、文化的、宗教的になかなか言うことを聞いてくれないし、いちいち武力を利用してのコントロールも莫大な費用と世論操作が必要。となれば、自前で生産して余剰のある”穀類”をどうにか燃料へシフトできないか。石油一辺倒であれば産油国も強気だろうが、エタノールもあるよ、となると状況は変わってくるのである。

 日本で生活している私たちはトウモロコシや小麦をほぼ100%輸入に頼っており、それはすでに目に見える形で生活に影を落としている。かつては”パンを食べましょう”と小麦を一生懸命安く売ってくれていた米国も、洋食がすっかり生活に浸透した今となっては”おらおら!これが無いと困るだろう?”に変わっているのである。燃料も食料もしっかりと他国にツボを押さえられてしまった。この国の政治はどうなってんの?と言わざるを得ない。

 話は変わりますが、同じエタノールでもいわゆる”セルロース”から製造するものもあります。セルロースは皆さん耳にする「植物繊維」のことで、たとえば稲刈りの時に粉砕してまき散らす稲藁がそうです。日本人の勤勉さを以てすれば、おそらく食糧自給と燃料の確保という二大難問を解決できる可能性もあります。現在のところ、セルロースからのエタノール製造はコストが掛かり過ぎ、採算が取れないと言われていますが、これも新事業の常、恐らく解決できるでしょう。
 
 政治家の皆さん、日本の将来のために若者と職にあぶれたオッサンを農村に派遣しする新しい法案を作ってください。